今回はレモネードで有名な「HYAKKOYA(ひゃっこや)」さんにお伺いしました。
オーナーの高木洋平さん(以下ぶるさん)佐都美さん(以下とみさん)は、かつて広島市内で“予約の取れない店”として有名な「大人の洋食屋さん”ぶると味”」を経営されていました。
そんな大人気の洋食屋をたたみ、2023年に妻とみさんの生まれ故郷である生口島瀬戸田の地で、
2年の歳月の末完成した「こだわりのレモネード」の提供をすべく、「HAKKOYA」として新たにスタートしました。
瞬く間に多くの人が訪れる人気店「HAKKOYA」さんの魅力をお伝えしていきます♪
HYAKKOYAとは
HYAKKOYAの始まりは、「とみさんの祖父母の思い出の家を何とか守っていきたい」という思いからでした。
そんなお二人が、瀬戸田でHYAKKOYAを始めた訳をお聞きしました。
なぜ瀬戸田でお店を始めたのか
────なぜ、生口島瀬戸田に移住したのですか?
そもそも私たちが今店をやっている場所は妻の祖父母が土産物屋「百耕屋」をやっていた場所でした。
閉店後、建物の老朽化も進んでいく中で誰かに貸すといった案もでたものの、祖母の他人に家を貸したくないという願いもあり、空き家の状態が続いていました。
その中で「私たちの手で思い出の百耕屋を何とかしたい」という想いが芽生え、広島市内の店をたたみ、瀬戸田で新たなスタートを切ることを決意しました。
────お二人が生活する中で感じる生口島の魅力はどんなところですか?
島の人の人柄の良さだったり、時間がゆっくり過ぎている感じがするのが魅力です。
あとは、梅雨の時の湿気でじめじめした感じが苦手なんですけど、こっちに来てそれを感じることが少なくなりました。
海風が飛ばしてくれているのかなと思うんですけど、こうした風通しの良さも魅力的ですね。
────お客さんはどのような方がいらっしゃいますか?
開店当初からほとんどが観光客の方ですね。
店をする場所が先に決まっていたので、観光客の方に特化した店にすると決めていました。
「島に恩返しがしたい」その一言がレモネード誕生へ
────なぜレモンを使ってレモネードを提供しようと思ったのですか?
瀬戸田といえばレモンなので、それを覚えてもらえるような店にしたいなという想いが一番にありました。
妻が地元である瀬戸田へ帰るとき、「島に恩返ししたい」と言ったんです。
そこで自分たちに何ができるか考えたときに、やっぱり、「自分たちにできることは飲食だし、瀬戸田の特産品であるレモンを使おう!」ということになりました。
お店で島の特産品である瀬戸田レモンを使うことで、島に恩返しをしようと思ったのです。
────はじめからレモネードにしようというと考えていたのですか?
初めはゼリーやお菓子など色々考えていました。
ですが、うちは瀬戸田のしおまち商店街の入口のような場所にありますよね。
なので観光客の方にここにとどまってもらうだけではなく、どんどん商店街へも流れてもらいたいと思いました。
そこで食欲を増進するようなものっていうこともあってレモネードであったり、食べ物も片手で食べられるようなライトなものを提供しています。
”世界に1つだけのレモネード”を提供するためのこだわり
1000杯の試作
────2年の準備期間の中で1000杯もの試作をおこなったそうですが、今のレシピにたどり着くまでの道のりをお聞きしたいです。
まずは、レモンのシロップ漬けから始めました。
それから砂糖や水、レモンのスライスする厚みや形を変えたり、冷蔵と常温を変えたりと試行錯誤を繰り返しました。
そこから何度も繰り返して、やっとコールドプレスにたどり着きました。
しかし、3時間くらい経つと、レモンを絞った原液からえぐみ(苦味)がでてくることがわかりました。
そこから何とかしてえぐみを抑える方法がないか、さらに試行錯誤を繰り返しました。
そして探求すること2年が経ち、ようやく思い描いていたレモネードが完成し今のレシピになったんです。
────ここまで追求できるのは、きっとなにか強い思いがあったからこそですよね?
「一口で瀬戸田レモンを全身で感じる」ってのがテーマで、それにたどり着けるはずだ!っていう信念があったんです。
イメージする形や掲げるテーマに、必ずたどりつけるはずだという探求心と信念があったからこそ、ここまでできたんだと思います。
これじゃない、これも違うと色々な組合せを試して消去法で消していくことで少しずつ理想とする形に近づくことができました。
瀬戸田レモンとは
────瀬戸田レモンと普通のレモンって何が違うんですか?
瀬戸田レモンは、残留農薬0やノーワックスなど厳しい基準に合格して出荷されているレモンです。
安心して皮まで食べることができ、糖度が普通のレモンに比べて高いんですよ。
酸味も強いから意識しないと分からないですが、実はスイカと同じくらい甘いんです。
そして通常のレモンは酸味が強いので、手についてもさっぱりしていると思います。
それに比べて、瀬戸田レモンの場合は時間が経つと手がべとべとするんですよ。
これは通常のレモンだとない事だと思います。
HYAKKOYAレモネードのフレッシュで濃厚な味わいは、瀬戸田レモンでないと出せません。
他のレモンだと、同じ製法で作っても味がぼやけたり、ただ酸っぱいだけだったりするんです。
瀬戸田のレモンって本当にすごい。
HYAKKOYAを通して、その瀬戸田レモンの良さも広めていきたいですね。
レモンだけじゃない、使用する食材へのこだわり
────レモン以外にも有機トマトや菜種油などこだわっていらっしゃいますよね?
油はほうろく菜種油という伝統的な製法で人力によりしぼられたものを使用しています。
飲めるくらい美味しい油で感動したことをおぼえています。
あと水にもこだわっていて、レモネードのベースを作るときの「仕込み水」と「割る時の水」を使い分けています。
仕込み水はずっと一緒ですが、割るときの水はさらに「暑い時」と「寒い時」で分けているんですよ。
ちなみに、夏はミネラルが多い水を使っています。
味はもちろんですが、夏は暑いので汗をかいた体にミネラル補給していただきたいという思いもあります。
────飲む人の体のことまで考える優しさがとても素敵です!
そうすると、今のお水にたどりつくまでの苦労もあったりしましたか?
お水は本当に大変でした。
レモンに合う水と合わない水があって、合わないとえぐみが出たりするんですよ。
色々と試す中で今の水が一番なめらかになってくれました。
────食材などにこだわりはじめた理由やきっかけなどはありましたか?
いいものを知ってしまったので、戻れなくなってしまいましたね(笑)
「HYAKKOYA」で使っているこだわりの食材は、「ぶると味」の時からご縁があった食材を今でもこだわって使っています。
HYAKKOYAをより楽しんでもらうために
────レモネードはカスタマイズができるんですね!おすすめのカスタマイズはありますか?
ジェラートを2つトッピングして、さらにドーナツトッピングというのがおすすめです。
────メンチカツはぶると味でも作られていましたよね!以前提供していたものとは違うのですか?
もちろんです!
やっぱり、今まで通りだと面白くないし、変化が欲しいなと思いました。
何よりコンセプトとして瀬戸田レモンの良さを伝えたい、レモンを常に感じてもらいたかったのが理由です。
HYAKKOYAのメンチカツには、レモンピール(レモンの皮)を入れたり、臭みを消すためにレモンの絞りカスを麹で発酵させたものをメンチの中に練り込んでいます。
レモネード以外のメニューもぜひ楽しんでもらいたいですね!
HYAKKOYAイチオシメニュー
レモネードのお共には、ローストビーフサンド!!
最近始めたメニューですが、1日限定5食の販売ですぐに売り切れてしまうレア商品なんです。
このローストビーフサンドに使うローストビーフも「ぶると味」時代からの手作り♪
昨年クリスマスに、ぶると味のローストビーフを入れたクリスマスパックを発売すると150食が完売。
そんな大人気のローストビーフがサンドされているんです(^ ^)
実際にローストビーフサンドをいただくと、とっても柔らかくてボリュームも満点で食べ応えバッチリ!
フランス人家族のお客さんがローストビーフサンドを食べに来て、その次の日にも来てローストビーフサンドを頼んでいったこともあるそうですよ。
もしローストビーフサンドに出会えたら超ラッキーですね!ぜひレモネードと一緒にご賞味ください。
生口島の世界一のレモネード屋さんHYAKKOYAへ行こう!
店内を見渡すと、バラやお手紙などが飾ってありました。
それらは「ぶると味」の時のお客さんにいただいたものだそうです。
閉店したことを惜しまれつつも、いろんな方々から新しいチャレンジを応援してくれていることが感じられました。
遠くから「HYAKKOYA」を訪れてくれるお客さんも多いそうで、
「ぶると味のお客さん、良い人ばっかりだったからね。」とぶるさん「すごい来てくれるよね。」ととみさん
出会った方々とのご縁を大切にしておられるお二人の人柄の良さが伝わってきました(^ ^)
最終的には「HYAKKOYA」のレモネードを全世界に広めたい。
世界中からお取り寄せできて、レモン農家さんが潤って若い農家さんが増えてほしい。
常に島のことを思い、新しいことにチャレンジされている、
ぶるさん、とみさん、お二人の姿勢がとても魅力的で素敵でした♪
HYAKKOYA 詳細
営業時間 | 11:00〜16:00(売り切れ次第終了) |
定休日 | 不定休 |
電話番号 | 0845-25-6555 |
座席数 | ー |
WEBサイト | https://hyakkoya.com/ |
駐車場 | ー |
テイクアウト | 有り |
その他 | ー |
住所 | 広島県瀬戸田町瀬戸田530-3 |