のどかな生口島を散策していたら現れる向上寺への案内板。
急な坂道を上った先、小高い丘の上にある向上寺は室町時代初期に建立された歴史あるお寺です。
焼失、本堂の老朽化による解体を経て長らく仮本堂で再興を目指していましたが、2010年に本堂が再建された経緯をもつ向上寺。
向上寺では、国宝に指定された三重塔としては最も新しい三重塔と、その貴重さゆえに戦時中の供出をも免れた広島県指定重要文化財の梵鐘を見ることができます。
荘厳な歴史ある建物と生口島の豊かな自然に心奪われる、そんな特別な場所を是非一度訪れてみてください!
生口島の向上寺はこんなお寺
普通自動車では上ることが出来ないような細い道を上ると見えてくる向上寺は、1403年(応年10年)生口守平の開基、愚中周及の開山により臨済宗の寺院として創建されました。
1444年(文安元年)には将軍・足利義政により将軍祈願所ともなったお寺です。
江戸時代に臨済宗から曹洞宗に改められています。
向上寺は、明治6年に伽藍が焼失し、本堂は老朽化で解体されるなど紆余曲折ありましたが、2010年(平成22年)に本堂が再建されました。
中国三十三観音霊場第十一番札所でもあり、生口島出身の平山郁夫画伯も描き多くの作品を残したことでも知られています。
生口島の向上寺ではここを見よう!
国宝 三重塔
三重塔を見るにはまず拝観料を100円納め、長い石段に挑みます!
挑んでしまったことを後悔しかけますが、飛び込んできた景色に目を奪われます。
急な石段を上った先に、すこし小ぶりですが、歴史を感じる美しいオレンジ色の三重塔が見えてきます。
見れば見るほど、一見ではわからないその緻密な建築美の魅力が伝わってきます。
実は、この三重塔は1432年(永享4年)に建立され、三重塔はなんと国宝にも指定されているんです!歴史を感じるはずですよね。
その建築美には京都に来たのかと錯覚してしまいますが、それでもやはり、美しい海とのコントラストは生口島ならでは光景です!
和様唐様の混合様式で内部全体にも極彩色が施され、細部にまでこだわった装飾には国宝であることを納得させられます。
正面からの三重塔ももちろん素敵なのですが、三重塔の裏にある小高い丘に上ると三重塔と生口島ののどかな景色、キラキラ輝く瀬戸内海の全てが同時に見ることができます。
これこそが生口島の魅力のひとつ!
この美しい景色を是非一度見て頂きたいです。
広島県指定重要文化財 梵鐘
向上寺の門を潜り抜けると真っ先に目に入るのが立派な梵鐘です。
由緒ある鐘として戦時中の供出も免除されたのだそう。
広島県指定重要文化財にも指定されている梵鐘は、実は音色が良いことでも有名とのこと。
そんな有名な音色、どんな音がするのか…ぜひ聞いてみたい!と思わずにはいられません。
12月31日の大晦日にはこの鐘が打ち鳴らされるとのこと。
機会があればぜひとも一度聞いてみたいものですね。
平山郁夫画伯のスケッチポイント
瀬戸田出身の平山郁夫画伯が幼少期遊び場にしていたのだそう。
向上寺の随所に平山郁夫画伯のスケッチポイントを知らせる石碑があります。
平山郁夫画伯が実際にスケッチをおこなったポイントを紹介してくれているものです。
向上寺へ向かう前に平山郁夫美術館を訪れ、絵画を堪能したのちにスケッチポイントを探してみるのも楽しいかもしれませんね。
向上寺へ向かう楽しみがまた1つ増えてしまいます。
向上寺の年間行事
向上寺では、様々な年間行事が行われています。
予約することが出来ますので、ご利用の際はお問い合わせ下さい。
随時予約受付 安産祈願
安産を願って、腹帯の祈祷
【1月の行事】
日時:1月18日 行事名:大般若会(だいはんにゃえ) 時間:午前11時半 場所:仮本堂
家内安全、世界平和を祈願。(希望者には祈願したお札の授与)
【8月の行事】
日時:8月18日 行事名:施餓若会(せきがえ) 時間:午前11時半 場所:仮本堂
祖先等を供養し、餓鬼道の苦しみから救う為に祈祷する。(希望者には、塔婆供養)
【12月の行事】
日時:12月31日 行事名:除夜の鐘(じょやのかね) 時間: 午後11時半
百八の煩悩を除くために鐘を打ち鳴らす。(ぜんざいのおせったいあり)
12月31日に行われる除夜の鐘では、広島県指定重要文化財に指定されている梵鐘が打ち鳴らされるところを実際に見ることができるのかと思うとワクワクしてしまいますね!
向上寺の基本情報
営業時間 | ー |
定休日 | 年中無休 |
電話番号 | 0845-27-3377 |
交通 | 生口島北ICより車で15分・生口島瀬戸田港から徒歩10分 |
WEBサイト | www.genets.co.jp/u1/KOJOJI |
駐車場 | 有(本堂横に軽四自動車2台) |
料金 | 100円(三重塔) |
その他 | ー |
住所 | 広島県豊田郡瀬戸田町瀬戸田57 |
生口島で国宝が見られる!向上寺は室町時代からの歴史あるお寺 まとめ
室町時代に建立され、焼失、解体され長らく仮本堂でしたが、2010年(平成22年)に見事本堂が再建された歴史ある向上寺。
時間の流れがゆっくり流れているように感じる穏やかな生口島の景色の中に現れる鮮やかな色合いの三重塔に美しい水平線。
晴れた日に小高い丘から見る国宝の三重塔と瀬戸内海は心に残ります。
心から癒される風景にあなたも出会ってみませんか?